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ユキの罪とは? 変な絵のあらすじと魅力をわかりやすく解説

admin
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変な絵

イメージ:コミックファン

「変な絵」を読んでみたいけど、どんな話なのか気になる…

この記事では、雨穴さんの話題作「変な絵」のあらすじや登場人物、そして作品の魅力を徹底的にわかりやすく解説していきます。

「変な絵」は、複数の時代と視点が交錯する多層構造のミステリー作品で、ホラー要素も織り交ぜながら、最後には全ての謎が一つに繋がる衝撃の展開が待っています。

これから「変な絵」を読んでみようと思っている方にはネタバレなしで。

一度読んだ方にはネタバレ情報も含めて、物語の核心に迫る内容をお届けしますね。

ネタバレ情報は記事後半にまとめて、タイトルに【ネタバレ注意】を付けていますので安心して読んで下さい。

「変な絵」をお得に読む方法もご紹介するので、ぜひ最後までお付き合いください!

変な絵とは【作品紹介】

変な絵の基本情報

「変な絵」は、マルチ作家として活躍する雨穴(うけつ)さんが手がけたスケッチ・ミステリー作品です。

基本情報は以下の通りです:

  • タイトル:変な絵
  • 作者:雨穴(うけつ)
  • 出版社:双葉社
  • ジャンル:スケッチ・ミステリー、ホラー、サスペンス

雨穴さんは小説家だけでなく、YouTuberや漫画原作者としても活躍されている多才な作家さんです。
前作「変な家」が大ヒットし、2024年には映画化もされたことで、その独創的な世界観に注目が集まっています。

「変な絵」の最大の特徴は、タイトル通り「絵」が物語の鍵を握っているところ。
言葉では伝えられないメッセージを絵で表現するという設定が、ミステリーとしての面白さと恐怖を同時に演出しているんですね。

なお、2025年10月現在小説版はすでに完結していますが、漫画版は第3巻まで刊行されており、まだ完結していません。

変な絵をお得に読む方法

「変な絵」をお得に読むには、電子書籍ストアのクーポンやセールを上手に活用するのがポイントです。
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変な絵のあらすじと魅力(前半ネタバレなし)

イメージ:コミックファン

このセクションでは、「変な絵」の物語を深く掘り下げていきます。

以下の内容をご紹介しますね:

  • 物語のあらすじ
  • 主要な登場人物
  • 作品の魅力ポイント
  • 読者からのクチコミ
  • 作者情報
  • 各巻の詳細なストーリー展開(ネタバレ含む)
  • 人物相関図(ネタバレ含む)
  • ユキの罪の真相(ネタバレ含む)
  • ユキが逃げなかった理由(ネタバレ含む)
  • 9枚の絵の秘密(ネタバレ含む)
  • 「変な家」との繋がり
  • 複合絵の独自分析

ネタバレを避けたい方は、「各巻の詳細情報」以降のセクションは実際に「変な絵」を読み終えてから読んで下さいね。

あらすじ

大学生の佐々木修平は、オカルトサークルの後輩・栗原から「七篠レン 心の日記」という不思議なブログを教えられます。

そこには愛妻家のレンが妻・ユキとの幸せな日々を綴っていましたが、ユキの妊娠を機に不穏な空気が漂い始めるんです。
ユキが描いた5枚の絵には番号が振られていて、それを重ね合わせると…恐ろしい真実が浮かび上がります。

ユキは出産時に死亡し、レンは最後のブログで「あなたの罪を許せない」と書き残して更新を止めてしまいます。
いったいユキがどんな罪を犯したのというのでしょうか?

時を経て、物語は各章で異なる時代と視点から描かれる9枚の絵の謎へと展開していきます。
2003年、2009年、2012年、2014年、2015年…バラバラに見える時代が、最後に一つの巨大な事件へと収束していく構成が見事なんですよね。

暴走する母性と歪んだ愛情が引き起こした、長年にわたる連続殺人の全貌。
その真相は、読む者の背筋を凍らせる戦慄のスケッチ・ミステリーとなっています。

正直、最初は「絵がテーマのミステリーってどうなの?」と思うかもしれませんが(笑)、読み進めるうちにその巧妙な仕掛けに引き込まれること間違いなしです!

主要登場人物

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「変な絵」には多くの登場人物が登場しますが、ここでは物語の核となる主要キャラクターをご紹介します。

佐々木修平(ささきしゅうへい)
21歳の大学生で、オカルトサークル所属。
後輩の栗原から「七篠レン 心の日記」を紹介され、一緒に謎を追っていきます。
物語の狂言回し的な役割を果たす人物ですね。

栗原(くりはら)
佐々木の後輩で、オカルトサークル所属の大学生。
「七篠レン 心の日記」のブログの謎を解き明かす鋭い洞察力を持っています。
実は前作『変な家』にも登場する重要人物です。

今野ユキ(こんのゆき)/ 七篠ユキ
武司の妻で、元イラストレーター。
妊娠中に5枚の複合絵でメッセージを残しますが、出産時に死亡してしまいます。
夫・武司と生まれてくる子供を深く愛していた女性です。

今野武司(こんのたけし)/ 七篠レン
「七篠レン 心の日記」のブログ主。
ユキと幸せな結婚生活を送っていましたが、妻の死後3年経ってユキが残した絵の謎に気づきます。

今野優太(こんのゆうた)
武司とユキの息子で、6歳。
母親の死後、祖母に育てられています。
保育園で描いた「変な絵」が新たな謎を生み出すことに。

今野直美(こんのなおみ)
武司の母親で、優太の祖母。
64歳で、助産師の資格を持っています。

熊井勇(くまいいさむ)
新聞記者。
ある事件の真相を追う過程で、物語の核心に迫っていきます。
優太との関わりも重要なポイントになります。

それぞれのキャラクターが複雑に絡み合い、最後には驚きの真相が明らかになる…この人物配置の妙も、「変な絵」の魅力の一つなんです!

作品の魅力

「変な絵」の魅力は、一言では語り尽くせないほど多彩です。
ここでは特に注目したい6つのポイントをご紹介しますね。

1. 複数の時代と視点が交錯する多層構造の物語

一見バラバラに見える複数の時代(2003年、2009年、2012年、2014年、2015年)と視点が、最後に一つの真実へと収束する構成が見事なんです。
読者は各章で新たな謎に出会いながら、最終章でパズルのピースが全て嵌まる快感を味わえます。

まるで、散らばっていたジグソーパズルのピースを一つずつ拾い集めて、最後に完成した絵を見た時の驚きと感動…そんな読書体験ができるんですよね。

2. 「絵」というユニークなモチーフ

言葉では伝えられないメッセージを「絵」で表現するという設定が斬新です。
特にユキが残した複合絵(複数の絵を重ね合わせることで別の絵になる仕掛け)は、ミステリーとしての面白さと恐怖を同時に演出しています。

視覚的な要素がストーリーの核となっており、漫画化により更にその魅力が引き立っているのも嬉しいポイントです。

3. ユキの罪という謎

レンがブログに残した「あなたの罪を許せない」という言葉。
読者は当然この言葉がユキに向けられたものと思いますよね。

しかし、佐々木の後輩栗原の「レンとユキ以外にも誰かが住んでいたのではないのでしょうか」というサジェッションが、この物語の謎を解く重要な鍵になります。
この伏線の張り方、本当に上手いんです…!(チョットねたばれかな(-_-;)
でもこれだけではありません)

4. 緻密に張り巡らされた伏線

プロローグの文鳥の絵、ユキの5枚の絵、優太の墓石の絵、米沢の山並みの絵など、細かな伏線が物語全体に散りばめられています。
一度読み終えた後に読み返すと、新たな発見がある作りになっているんですよね。

「あ、ここにこんな伏線が!」という発見の楽しさは、ミステリー好きにはたまりません。

5. 『変な家』との世界観の繋がり

前作『変な家』に登場した栗原が本作でも重要な役割を果たしており、同じ世界線で物語が展開されています。
雨穴作品のファンにとっては、世界観の広がりを楽しめる要素です。

「変な家」を読んでから「変な絵」を読むと、また違った楽しみ方ができますよ!

6. ホラーとミステリーの絶妙なバランス

直接的なグロ描写は少ないんですが、じわじわと迫る恐怖感が秀逸です。
心理的なホラーとミステリーの謎解きが絶妙に組み合わさっており、幅広い読者層に受け入れられる作品になっています。

「怖いのは苦手だけどミステリーは好き」という方でも、安心して楽しめる絶妙なバランスなんですよね。

クチコミ情報

実際に「変な絵」を読んだ読者からは、どんな感想が寄せられているのでしょうか?
代表的なクチコミをご紹介しますね。

「ディテールまで作りこまれている」という声が多数

絵を手がかりにしたミステリ構造が斬新で、視覚情報から推理を展開するスタイルは従来のミステリとは一線を画すという評価が目立ちます。
最後にしっかりと展開をひっくり返してぞわっとさせてくれる作者の手腕に、多くの読者が唸っているんですね。

「ミステリー好きにはぜひおすすめ」

「変な家」と同様、雨穴さんらしい独創的な仕掛けやトリックが満載で、ホラー好きやミステリー好きには特におすすめという声が多いです。
展開の予想がつかない面白さが、読者を惹きつけているようですね。

「怖いのに先が気になって読みたくなる」

グロイとか殺伐とした描写ではなくて、奇妙な絵というところがより怖さを増幅させるという意見も。
1つ目の話と2つ目の話がどう繋がっていくのか気になって、止まらなくなるという感想が印象的です。

多くの読者が「怖いのに続きが読みたい」という矛盾した気持ちになるのが、「変な絵」の魔力なんですよね(笑)。

作者

「変な絵」の作者は、雨穴(うけつ)さんです。

雨穴さんは小説家としてだけでなく、YouTuberや漫画原作者としても活躍するマルチ作家。
2021年に発表した「変な家」が大ヒットし、2024年には映画化もされました。

その独創的な発想力と、緻密な伏線の張り方で、多くのファンを魅了しています。
特に「間取り」や「絵」といった視覚的要素をミステリーに組み込む手法は、雨穴さんならではの特徴ですね。

YouTubeチャンネル「雨穴」では、怖い話や都市伝説を独特の語り口で紹介しており、こちらも多くの視聴者に支持されています。
小説とはまた違った雨穴さんの魅力を楽しめるので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!

「変な絵」の漫画版は、古宮海さんが作画を担当されています。
小説の世界観を見事にビジュアル化しており、絵のトリックがより分かりやすく表現されているのも漫画版の大きな魅力です。

【ネタバレ注意】各巻の詳細情報

イメージ:コミックファン

ここからは、各巻のストーリー展開を詳しく解説していきます。
重大なネタバレを含みますので、未読の方はご注意くださいね。

第1巻:

物語はプロローグで心理学者・萩尾登美子が11歳の少女が描いた不穏な絵を分析する場面から始まります。
この絵が、後に明らかになる重要な伏線になっているんですよね。

大学生の佐々木修平は、オカルトサークルの後輩・栗原から「七篠レン 心の日記」という奇妙なブログを教えられます。
ブログは2007年から2012年まで更新されており、レンという男性が妻・ユキとの幸せな日々を綴っていました。

2009年のクリスマスにユキの妊娠が判明し、レンは大喜び。
しかし赤ちゃんが逆子であることが分かり、ユキは徐々に情緒不安定になっていきます。

ユキは5枚の絵を描き、それぞれに番号を振ります。
サンタの格好をした赤ちゃん、逆子の赤ちゃん、風になびく髪の女性、男性の横顔、白衣を着た老婆の絵。

栗原の鋭い推理により、これらの絵が複合絵であることが判明するんです。
番号のサイズを統一して重ね合わせると、老婆(助産師)が逆子の赤ん坊を女性(ユキ)から無理やり引きずり出そうとしている衝撃的な構図が現れます。
さらに、成長した息子と父親が手を繋いで歩く未来の姿も描かれていました。

ユキは出産時に死亡。
2012年、レンは最後のブログで「あなたが犯した罪を許せない。それでもあなたを愛し続ける」と書き残して更新を止めます。

後半部分では、時代が変わり、6歳の今野優太が登場します。
優太が保育園で描いた「変な絵」が新たな謎として提示されるんですね。

優太は今野直美と二人でマンションに暮らしています。
(実は、優太に自分を「ママ」と呼ばせていることが、この物語の背景にある深い原因につながっているんです…)

直美はスーパーのレジ打ちパートで疲弊しながら優太を育てています。

優太の担任保育士・春岡美穂から、優太が「変な絵」を描いたと相談されます。
それはマンションの一室が灰色に塗りつぶされた絵で、春岡は優太が家庭に問題を抱えているのではないかと懸念します。
春岡は学生時代に受けた心理学の講義(萩尾登美子の講義)を思い出し、様々な推理をするんですが、いずれも的外れ。

ある晩、直美と優太が帰宅すると、不審な男が部屋の前にいます。
直美は優太を守るため必死に部屋に逃げ込みますが、一晩中恐怖に怯えることに。
翌朝、優太が行方不明になり、直美はパニックになります。

第2巻以降:

直美は優太の絵を改めて見つめ、その真意に気づきます。
灰色に塗りつぶされた部分は、実はマンションではなく墓石を描いたものだったんです。
直美は墓地に急行し、母親(ユキ)のお墓の前で泣いている優太を発見します。

並行して、新聞記者の熊井勇が登場。
熊井は足を骨折して入院している際、同室の栗原から「七篠レン 心の日記」の話を聞きます。
熊井は以前、三浦という男性の不審死を調査しており、この事件との関連を疑い始めるんですね。

さらに、美術教師の米沢が山奥で何者かに襲われ瀕死の重傷を負う事件が発生。
米沢は優太の元担任で、優太の絵の真意に気づき、直美の過去を調べ始めていました。
米沢が最期に描いた震える線の山並みの絵が発見されます。

時を経て、熊井と岩田は米沢襲撃事件と三浦の死の関連を追います。
調査を進める中で、岩田も何者かに襲われて死亡してしまうんです。
熊井は一人で事件の真相に迫る決意を固めます。

最終章では全ての真相が明らかに(小説版)

今野直美こそが全ての事件の犯人であることが判明し、直美の過去が詳細に語られます。

直美の人生:

  • 1953年生まれ。幼少期、母親から壮絶な虐待を受けて育つ
  • 唯一の心の拠り所だった文鳥を母親に殺されそうになり、11歳で母親を殺害
  • プロローグで心理学者の萩尾登美子が分析した絵は、この時の直美が描いたもの。「更生する可能性あり」の判断が悲しい結末に。
  • 施設で更生し、助産師の資格を取得して社会復帰
  • 三浦と結婚し、息子・武司を出産。しかし夫が武司に厳しすぎる教育をするため、2003年に三浦を殺害
  • 武司の妻・ユキに嫉妬し、2009年、助産師の立場を利用してユキを死に至らしめる
  • 2012年、武司が絵の謎に気づき、母親の罪を知って絶望。最後のブログを残して自殺
  • 2015年、優太の元担任・米沢が直美の過去を調べ始めたため襲撃。事件を追う岩田も殺害

七篠レンの最後のブログ「あなたが犯した罪を許せない。それでもあなたを愛し続ける」は、実は母親・直美に向けたメッセージだったんです。
武司は母親を愛していましたが、ユキを殺した罪を許すことができず、葛藤の中で自殺を選びました。

熊井は直美と対峙します。
直美は「母親でいたかった」「息子を守りたかった」と語ります。

直美は逮捕され、優太は身寄りを失います。
熊井は優太を引き取ることを決意。

エピローグでは、熊井と優太が新しい生活を始め、米沢も回復して優太の新しい担任となることが示唆されます。
暗闇の中にも一筋の光が差し込むような、心温まる結末ですね。

【ネタバレ注意】物語の人物相関図

ここからでは物語の核心に迫る相関図を解説します。完全にネタバレ情報なので、「変な絵」をこれから初めて読む方は絶対に見ないでくださいね(笑)!

一度この物語を読んだ人が、頭の中を整理するために活用して頂ければと思います。

事件の中心人物

今野直美(こんのなおみ)
64歳。全ての事件の元凶となる人物です。

11歳の時に虐待していた母親を殺害し、施設で更生しました。
助産師の資格を取得し社会復帰しますが、息子・武司への異常な執着心と歪んだ母性により、夫の三浦、義理の娘ユキ、美術教師の米沢、記者の岩田を次々と襲います。

「母親」でいることに異常な執着を持ち、優太には「ママ」と呼ばせていました。
直美自身も虐待の被害者であり、その歪んだ愛情が悲劇を生んだとも言えますね。

直美の家族

今野ユキ(こんのゆき)/ 七篠ユキ
武司の妻で、元イラストレーター。妊娠中に義母・直美の殺意に気づき、5枚の複合絵でダイイングメッセージを残します。
しかし、出産時に死亡してしまいます。夫・武司を愛し、生まれてくる子供のために絵に真実を託した勇気ある女性です。
両親とは疎遠で頼れる人がおらず、逃げ場を失っていました。

今野武司(こんのたけし)/ 七篠レン
直美の息子で、「七篠レン 心の日記」のブログ主。ユキと幸せな結婚生活を送っていましたが、妻の死後3年経ってユキが残した絵の謎に気づき、母親の罪を知ります。
母親を愛しながらも許すことができず、絶望して自殺しました。

今野優太(こんのゆうた)
武司とユキの息子で、6歳。母親の死後、祖母の直美に育てられます。
母親のお墓を描いた絵が「変な絵」と誤解されますが、純粋な心で母を思っていた健気な子供です。
最終的に熊井勇に引き取られ、新しい人生を歩むことになります。

三浦(みうら)
直美の夫で、武司の父親。武司への厳しすぎる教育方針が直美の不満を招き、2003年に直美に殺害されてしまいます。

謎を追う人々

栗原(くりはら)
大学生で、オカルトサークル所属。佐々木の後輩。「七篠レン 心の日記」のブログの謎を解き明かす鋭い洞察力を持っています。

佐々木修平(ささきしゅうへい)
21歳の大学生で、オカルトサークル所属。栗原から「七篠レン 心の日記」を紹介され、一緒に謎を追います。
読者の視点に近い立場から物語を見守る人物ですね。

熊井勇(くまいいさむ)
新聞記者。三浦の死の真相を追う過程で、直美の一連の犯行を暴きます。
最後は直美に刺されますが生還し、優太を引き取って共に暮らすことを決意する、物語に希望をもたらす人物です。

岩田俊介(いわたしゅんすけ)
L日報の総務局員。熊井と共に三浦の事件を調査しますが、直美に襲われて死亡してしまいます。この複雑に絡み合った人間関係が、物語に深みを与えているんですよね。
相関図を頭に入れておくと、物語の理解が一気に深まりますよ!

【ネタバレ注意】ユキの罪の詳細を解説

イメージ:コミックファン

読者の多くが最初に抱く疑問、それが「ユキの罪とは何なのか?」ということですよね。

レンが最後のブログで「あなたが犯した罪を許せない。それでもあなたを愛し続ける」と書いた相手は、一体誰なのか?

実は、この言葉はユキに向けられたものではありませんでした。

レンが許せないと言ったのは「母親」、つまり今野直美に対してだったんです。

レンはユキの死後3年経って、妻が残した5枚の複合絵の謎に気づきます。
そして、母親・直美が助産師の立場を利用して、愛する妻・ユキを死に至らしめたことを知るんですね。

母親の罪を知ったレンが、葛藤の中で書いた最後のメッセージ。
「許せない」と「愛し続ける」という相反する感情が表現されたものでした。

つまり、「ユキの罪」という謎そのものが、読者を巧妙にミスリードするためのトリックだったわけです。
罪を犯したのはユキではなく、直美だった…この真相が明らかになる瞬間、多くの読者が衝撃を受けるんですよね。

雨穴さんのミスリードの技術、本当に見事としか言いようがありません(笑)!

母親を愛しながらも、妻を殺した罪を許せない。
レンの苦しみと絶望が、ブログの最後の言葉に凝縮されているんです。

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【ネタバレ注意】ユキはなぜ逃げなかったのか

物語の中で浮かび上がるもう一つの重要な疑問、それが「ユキはなぜ逃げなかったのか?」です。

ユキは妊娠中に義母・直美の殺意に気づいていました。
5枚の複合絵でダイイングメッセージを残すほど、危機的状況を理解していたんですよね。

それなのに、なぜユキは直美から逃げなかったのでしょうか?

答えは推測するしかありませんが、筆者には「ユキには逃げる場所がなかったから」と思えます。

作品情報によると、ユキは両親とは疎遠で、頼れる人がいませんでした。
妊娠中という体調面での不安も大きかったはずです。

さらに、夫・武司は母親を信頼しており、ユキが「義母に殺意を向けられている」と訴えても、信じてもらえなかった可能性が高いんですよね。
証拠もなく、単なる妊娠中の不安定な精神状態だと思われてしまったかもしれません。

そして何より、ユキは夫・武司と生まれてくる子供を深く愛していました。
逃げることで家族を壊してしまうことを恐れたのかもしれませんね。

だからこそ、ユキは複合絵という形でメッセージを残すことを選んだんです。
言葉では伝えられない真実を、絵に託して。

夫と子供を守るため、自分の身を犠牲にしてまで真実を伝えようとしたユキの愛情の深さに、胸が締め付けられます。

逃げ場を失った女性の絶望と、それでも家族を守ろうとする母性。
このテーマは、読者の心に深く刻まれる、物語の重要な要素になっているんですよね。

【ネタバレ注意】9枚の絵に隠された意味

「変な絵」というタイトルの通り、この物語では9枚の絵が重要な役割を果たします。
それぞれの絵に込められた意味を解説していきましょう。

プロローグの絵:直美が11歳の時に描いた絵

心理学者・萩尾登美子が分析した、虐待を受けた少女が描いた絵。
これは後に、今野直美が11歳の時に母親を殺害した際の心理状態を表現したものだと明らかになります。

物語の始まりと終わりを繋ぐ、重要な伏線なんですよね。

ユキが描いた5枚の絵:複合絵のトリック

  1. サンタの格好をした赤ちゃん
  2. 逆子の赤ちゃん
  3. 風になびく髪の女性
  4. 男性の横顔
  5. 白衣を着た老婆

これらを番号順に重ね合わせると、老婆(助産師=直美)が逆子の赤ん坊を女性(ユキ)から無理やり引きずり出そうとしている衝撃的な構図が現れます。

さらに、成長した息子と父親が手を繋いで歩く未来の姿も描かれていました。
ユキは自分が死んでも、夫と子供が幸せに生きていくことを願っていたんですね。

この複合絵のトリックは、「変な絵」の最大の見せ場と言えるでしょう。

優太が描いた絵:墓石の絵

保育園で優太が描いた「変な絵」。
マンションの一室が灰色に塗りつぶされたように見えましたが、実は母親・ユキのお墓を描いたものでした。

6歳の子供が母親を思う純粋な心が表現された切ない絵で、筆者も思わず涙しちゃいました(笑)

米沢が描いた絵:山並みの絵

美術教師の米沢が最期に描いた震える線の山並みの絵。
これは米沢が直美に襲われた場所(山奥)を示していました。

死の間際まで真実を伝えようとした米沢の執念が感じられる絵ですね。

これら9枚の絵が最終的に一つの物語に収束していく構成は、まさに圧巻。
視覚的要素を巧みに使ったミステリーの傑作と言えるでしょう!

変な絵と「変な家」の関係性

「変な絵」を語る上で外せないのが、前作「変な家」との関係性です。

両作品は独立した物語ですが、実は同じ世界線で展開されているんですよね。

共通の登場人物:栗原

前作「変な家」に登場した栗原が、「変な絵」でも重要な役割を果たしています。
オカルトサークル所属の大学生という設定は同じで、その鋭い洞察力で謎を解き明かしていきます。

栗原が入院中に熊井と出会い、「七篠レン 心の日記」の存在を教えるシーンは、物語の転換点になっているんですよね。

雨穴ワールドの広がり

この世界観の共有は、雨穴さんが構築する「雨穴ワールド」の広がりを感じさせます。
「変な家」を読んでから「変な絵」を読むと、栗原の再登場に「おお!」となること間違いなし(笑)。

また、両作品とも「視覚的要素をミステリーに組み込む」という共通の手法を使っています。
「変な家」では間取り図、「変な絵」では絵がトリックの核心になっているんですよね。

メディア展開への期待

「変な家」は2024年に映画化され、大きな話題になりました。
「変な絵」も同様にメディア展開される可能性が高く、ファンの期待が高まっています。

もし映画化されたら、複合絵のトリックをどう映像で表現するのか…今から楽しみですね!

雨穴さんの作品世界は今後も広がっていくはず。
「変な家」「変な絵」に続く新作にも注目していきましょう!

複合絵が示す物語構造の深さ

イメージ:コミックファン

ここでは、「変な絵」の核心である「複合絵」というモチーフについて、筆者独自の分析を展開したいと思います。

視覚的トリックの革新性

従来のミステリー小説では、言葉や数字、暗号などがトリックの中心でした。
しかし「変な絵」は、複数の絵を重ね合わせることで真実が浮かび上がるという、極めて視覚的なトリックを採用しています。

これは電子書籍市場の拡大という出版業界のトレンドとも合致しているんですよね。
スマホやタブレットで読む際、画像を拡大したり、実際に絵を重ね合わせたりすることで、読者自身が探偵となって謎解きに参加できる構造になっています。

多層構造との親和性

物語自体も、複数の時代と視点が重なり合う多層構造になっています。
これは複合絵のコンセプトと完全に一致しているんです。

バラバラに見える絵(物語)が、重ね合わせる(統合する)ことで真実(全体像)が見えてくる。
この構造の一貫性が、作品に深い統一感を与えているんですよね。

メディアミックスへの展開可能性

実際、漫画版では絵のトリックがより明確にビジュアル化され、読者の理解を助けています。
将来的にアニメ化や映画化された場合、この視覚的トリックは映像メディアとの相性が抜群だと考えられます。

例えば、画面上で実際に絵が重なっていく演出や、ARを使った体験型コンテンツなど、様々な展開が考えられますね。

読者参加型の謎解き体験

複合絵というトリックは、読者に「自分で考える楽しさ」を提供します。
実際に絵を描いてみたり、透かして重ねてみたりする読者も多いのではないでしょうか。

このような読者参加型の体験は、SNS時代のコンテンツ消費とも相性が良く、読者同士で考察を共有する楽しみにも繋がっています。

雨穴作品の進化

「変な家」の間取り図、「変な絵」の複合絵と、雨穴さんは視覚的要素を巧みにミステリーに組み込んでいます。
この手法は今後も進化していくでしょう。

次回作では、どんな視覚的トリックが登場するのか?
個人的には、写真や地図などを使った作品も面白そうだと期待しています(笑)。

複合絵というモチーフは、単なるトリックを超えて、現代のミステリー小説の新しい可能性を示しているんですよね。
同じような読書体験をした方も多いのではないでしょうか?


よくある質問(Q&A)

「変な絵」に関して、読者からよく寄せられる質問をまとめました。
気になる疑問を解消していきましょう!

Q「変な絵」は完結していますか?

A:「変な絵」には、小説版とコミック版があります。

小説版は完結しています。
すでに物語の結末まで読むことができるので、一気に最後まで読みたい方は小説版がおすすめです。

コミック版は2025年10月現在、まだ完結していません。
2025年8月7日に発売された第3巻が最新版で、物語は継続中です。

漫画版は小説の内容を忠実に再現しつつ、視覚的な表現がより分かりやすくなっているのが特徴です。
特に複合絵のトリックは、漫画で見た方が理解しやすいという声も多いんですよね。

「早く結末を知りたい!」という方は小説版を、「ビジュアルで楽しみたい」という方は漫画版の続刊を待つ…という選択になりますね。

個人的には、小説版で物語を楽しんでから、漫画版で視覚的な表現を味わうのもおすすめですよ!

Q:【ネタバレ注意】優太はその後どうなったのか

A:物語のエピローグでは、優太のその後が描かれています。

優太は新聞記者の熊井勇に引き取られ、新しい生活を始めます。

祖母・直美が逮捕され、身寄りを失った優太。
熊井は事件を追う中で優太と関わり、この純粋な子供を守りたいという想いから、引き取ることを決意するんですね。

さらに、直美に襲われて重傷を負った元担任の美術教師・米沢も回復し、優太の新しい担任となることが示唆されています。

暗く重い物語の中で、優太が温かい人々に囲まれて新しい人生を歩み始めるこのエンディングは、読者にとって唯一の救いになっているんですよね。

母親・ユキが願った「息子が幸せに生きていく未来」が、形を変えて実現したとも言えるでしょう。
熊井と米沢という、優太を本当に想ってくれる大人たちに出会えて、本当に本当に良かったです…!(涙)

Q:変な絵は実話なのか

イメージ:コミックファン

A:「変な絵」の恐ろしいストーリーに、「これって実話?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

「変な絵」は雨穴さんによる完全なフィクション作品です。

実話ではありませんが、雨穴さんは実際の事件や都市伝説などを参考に、独自の物語を構築することで知られています。
そのリアリティのある描写が、「実話なのでは?」という疑問を生んでいるんですよね。

特に、心理学者の絵の分析や、助産師という職業設定、ブログという媒体など、現実にありそうな要素を巧みに組み合わせているのが雨穴さんの特徴です。

実話ではないからこそ、安心して(?)物語の恐怖を楽しめるとも言えますね(笑)。

ただし、虐待や歪んだ母性というテーマは、現実社会にも存在する問題です。
フィクションを通じて、そうした社会問題について考えるきっかけになる作品でもあるんですよね。

Q:どんな人におすすめか

A:「変な絵」がどんな人におすすめなのかをまとめておきましょう。

こんな方におすすめです:

ミステリー好きの方
緻密な伏線と驚きの展開が待っています。
謎解きの快感を存分に味わえる作品です。

ホラーが好きだけど、グロ描写は苦手な方
直接的な暴力描写は少なく、心理的な恐怖を楽しめます。
じわじわと迫る怖さが魅力です。

「変な家」が好きだった方
同じ世界観で、栗原も再登場します。
雨穴ワールドの広がりを楽しめますよ。

視覚的なトリックが好きな方
複合絵という独特のトリックは必見。
特に漫画版では、視覚的な楽しさが倍増します。

一気読みしたい方
展開が気になって止まらなくなります。
週末にじっくり読むのがおすすめです!

逆に、明るく楽しい物語を求めている方や、重いテーマが苦手な方には向いていないかもしれません。

でも、ミステリーやホラーが好きなら、絶対に読んで損はない作品です。
ぜひ挑戦してみてくださいね!

ユキの罪とは? 変な絵のあらすじと魅力をわかりやすく解説|まとめ

変な絵のあらすじまとめ

ここまで「変な絵」について詳しく解説してきましたが、最後に要点を振り返っておきましょう。

物語の核心:

  • 大学生の佐々木が後輩・栗原から「七篠レン 心の日記」というブログを教えられる
  • ブログには愛妻家レンと妻ユキの幸せな日々が綴られていたが、ユキの妊娠を機に不穏な空気が漂う
  • ユキが描いた5枚の絵を重ね合わせると、恐ろしい真実が浮かび上がる
  • ユキは出産時に死亡し、レンは「あなたの罪を許せない」と書き残してブログ更新を止める
Q
【ネタバレ注意】真相
  • 全ての事件の犯人は今野直美(レンの母親)
  • 直美は虐待の被害者から加害者へと変貌し、歪んだ母性から連続殺人を犯していた
  • レンの「あなたの罪を許せない」は母親・直美に向けた言葉だった
  • ユキは逃げ場を失い、複合絵でメッセージを残すことしかできなかった
  • 優太は新聞記者の熊井に引き取られ、新しい人生を歩み始める

物語の構造:

  • 2003年、2009年、2012年、2014年、2015年と複数の時代が交錯
  • 9枚の絵が最終的に一つの真実へと収束する多層構造
  • 「絵」という視覚的要素をミステリーに組み込んだ革新的な作品
  • 前作「変な家」と世界観を共有し、栗原が両作品に登場

変な絵の魅力とおすすめポイント

改めて、「変な絵」の魅力をまとめておきます。

作品の魅力:

  • 視覚的トリックの革新性:複合絵という独創的な仕掛けが見事
  • 緻密な伏線:一度読み終えた後の再読でも新たな発見がある
  • 多層構造の物語:バラバラの時代と視点が最後に一つに繋がる衝撃
  • 心理的ホラー:グロ描写に頼らず、じわじわと迫る恐怖を演出
  • 深いテーマ:暴走する母性と歪んだ愛情という普遍的なテーマを扱う
  • 世界観の広がり:「変な家」との繋がりで雨穴ワールドを楽しめる

小説版ですぐに結末まで読むもよし、漫画版でビジュアルを楽しみながら続刊を待つもよし。
あなたのスタイルに合った方法で、「変な絵」の世界に飛び込んでみてください!

複数の時代と9枚の絵が織りなす、戦慄のスケッチ・ミステリー。
読み終えた後、あなたは必ず「もう一度最初から読み直したい!」と思うはずです(笑)。

あなたのライフスタイルに最適なストアを選んで、この衝撃のミステリー体験を始めてみてくださいね。

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ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました。

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オウム
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ブロガー
芸術系大学(メディア・コンテンツ学部)卒業
アニメーター(約10年)の経験とアニメ・マンガに対する深い愛情から、
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